例えば、お風呂場でペニスを洗っているとき、陰茎や亀頭、カリ首の裏などに白いブツブツのようなものを見つけた、という経験はありませんか? 「これって、性病の一種なのかな?」と思いつつも、デリケートな場所のことだから、誰にも相談できないと、お悩みの方はいませんか? それは、もしかしたらフォアダイスと呼ばれるものかもしれません。 フォアダイスとは?陰茎にできるブツブツを見つけた際、性病と思う方もいるかもしれません。それがフォアダイスの場合、健康を害するものではありません。誤解されがちですが、フォアダイスはセックスの有無にかかわらず、誰にでも起こりうる自然な症状です。感染や重篤な症状を引き起こすような危険な性病ではありません。 頭皮や腕など、私たちの皮膚にはたくさんの毛穴があります。フォアダイスとは、ペニスの皮膚の毛穴にあたる部分、皮脂などを分泌するための器官が、白いイボのようなものとして出てきたものです。あるいは、ニキビのようなものだと考えればいいでしょう。 フォアダイスの種類と症状・フォアダイス 陰茎の包皮にできるブツブツ。一見するとニキビや真珠のように見えるかもしれません。本来はこれのみを指してフォアダイスと呼ぶのですが、医療現場でも混同されている場合があるそうです。男性の65%と、かなりの割合で見られる症状だと言われています。 ・真珠様陰茎小丘疹 ペニスのカリ首にできるブツブツ。これは真珠様陰茎小丘疹(PPP)と呼ばれ、カリ首を一周するように、同じ大きさの白いブツブツが並んでいるのが特徴です。男性の20%にできているとされており、包茎によって恥垢の溜まりやすい方に発症しやすいようです。 ・タイソン腺 ペニスと亀頭をつなぐ裏スジの部分にできる白いブツブツ。これは「タイソン腺」と呼ばれます。1個だけの場合や、6個ある場合など、数はまばらで、左右対称であるとは限りません。 いずれも、外見的な症状はあるものの、無害であるとされています。 フォアダイスと尖圭コンジローマの違いフォアダイスと混同しやすい尖圭コンジローマと呼ばれる性病があります。ペニスのカリ首にブツブツができるという症状が似ていますが、フォアダイスと違い、接触によって拡散するため、性行為の際にパートナーに感染することがあります。 女性の外陰部に尖圭コンジローマが発症した場合、高い確率で子宮頸がんの原因となるハイリスクHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染があるともされています。 見分ける際の主な注意点は、色と広がり方です。フォアダイスは白いブツブツであるのに対して、尖圭コンジローマは赤いブツブツとして発症します。色が赤く、規則的に並んでいることから、鶏のとさかのように見えるかもしれません。 フォアダイスは放置しても広がることはありませんが、尖圭コンジローマは短期間でブツブツの範囲が広がっていきます。症状が目に見えて拡大しているようであれば、尖圭コンジローマかもしれません。 このような見分け方があるとはいえ、フォアダイスか尖圭コンジローマかを見極めることは、素人には非常に難しいです。不安なときは、早めに泌尿器科等の専門医に診察・検査をしてもらいましょう。 フォアダイスの治療方法フォアダイスをそのまま放置しても危険性はありませんが、やはり男性として、ペニスの見た目が損なわれるのは気になってしまう、という方もいるでしょう。パートナーがペニスを見たときに、性病ではないかと疑うケースもあるようです。 ご自身のペニスにフォアダイスを見つけた方の中には、どうしても気になってしまい、無理に刃物などでそぎ落とすなど、自力での除去を試みるという方もいるようです。しかし、これは大変危険な行為ですので、絶対に行なわないでください。 出血や激痛をともなうだけでなく、その傷口から別の病原体に感染し、かえって悪化することもあるのです。治療を望むのであれば、必ず専門医の診断を受けましょう。 フォアダイスを治療する場合、放っておいても危険ではないという点から、医療保険の適用外となってしまうため、皮膚科や泌尿器科では治療を断られることもあるようです。しかし、医療用レーザーや液体窒素など、フォアダイスの除去を行なう美容外科クリニックも、現在では増えています。 治療費は3〜10万円と、どうしてもやや高額になってしまうものの、入院や通院の必要はありません。施術の内容にもよりますが、最短で5〜10分程度、一度の手術で除去が終了するため、身体的な負担や時間的な拘束は軽く済みます。 フォアダイスは湿った環境下で発症しやすいため、包茎の方の場合、一度フォアダイスの除去手術を行なっても、また再発することもあります。 まとめ自分の体に起きている異変を目の当たりにすると、誰でも気が動転してしまうもの。まして、ペニスのようなデリケートな部位に、そんな症状が現れればなおさらのことです。 そういった気分が続くと、心身の健康状態に決していい影響を与えません。気になったら独りで抱え込まず、専門の医師に診察してもらいましょう。 |